各拡張機能の情報は2026年4月時点のものです。仕様や権限要求は今後のアップデートで変更される場合があります。インストール前に必ずChromeウェブストア上の最新情報を確認してください。
- 「フルページスクショ」「HTMLダウンロード」「公開アーカイブURL発行」で設計思想がまったく違う
- 証拠保全用途では、保存物に加えてSHA-256ハッシュやRFC 3161タイムスタンプの有無が重要
- 日本語UIと日本語ページの保存品質はサービスによって差が大きい
- X(旧Twitter)投稿の保存は、専用レンダラを持つ拡張機能でないと崩れやすい
- 重要なページは複数の拡張機能で併用保存するのが最も安全
ウェブページを保存するChrome拡張機能は複数ありますが、「画像だけ残せるもの」「HTMLだけ残せるもの」「公開アーカイブURLを発行してくれるもの」「証拠性を担保してくれるもの」で設計がかなり異なります。本記事では代表的な6つを10項目で比較し、読み返し用・証拠保全用・競合調査用など用途別の選び方を整理します。
「このページ、消える前に保存しておきたい」と思った瞬間に、URLをコピーして別サイトに貼り付ける手順は地味に面倒です。Chrome拡張機能を使えばツールバーのアイコンをクリックするだけでページを残せますが、拡張機能ごとに残せるものが違うため、目的に合わないものを選ぶと肝心なときに役に立たないことがあります。
この記事では、ウェブページのアーカイブに使える代表的なChrome拡張機能を比較し、用途別の選び方を整理します。単に「どれが人気か」ではなく、「何を・どこに・どの形式で」残せるかを軸にしているので、証拠保全・読み返し・競合調査など目的に応じた判断がしやすい構成にしています。
何を基準に比較すべきか
「ウェブページを保存するChrome拡張機能」とひとくちに言っても、実態は大きく分けて4つの系統があります。自分の目的がどの系統に該当するかを先に決めておくと、選びやすくなります。
- ① フルページスクリーンショット系 ― 画像として1枚のPNG/JPEGで保存する。見た目の再現には強いが、後からテキスト検索はできない
- ② 自己完結HTML保存系 ― HTML+CSS+画像をローカルの1ファイルにまとめる。本文テキストは残るが、公開URLは発行されない
- ③ 公開アーカイブURL発行系 ― クラウド側に保存し、誰でも閲覧できる永続URLを発行する。証拠の共有・引用に向く
- ④ 証拠保全特化系 ― 上記に加えてSHA-256ハッシュ、RFC 3161タイムスタンプ、AI要約、差分などを付与する
比較対象の拡張機能は、どれもツールバーや右クリックからのワンクリック保存に対応しています。違いが出るのは「クリックの先に何が残るか」です。
主要Chrome拡張機能の比較表
以下は代表的な6つの拡張機能を10項目で比較したものです。自分の用途に関係する列を優先的にチェックしてください。
| 項目 | Wayback Machine公式 | SingleFile | GoFullPage | Save to archive.today系 | Save to Pocket | Kiroku |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 系統 | ③ 公開URL発行 | ② HTML保存 | ① スクショ | ③ 公開URL発行 | 読み返し用 | ④ 証拠保全特化 |
| ワンクリック保存 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 右クリックから保存 | ○ | ○ | × | △ | ○ | ○ |
| フルページ画像 | × | × | ○(PNG) | × | × | ○(JPEG) |
| 自己完結HTML | △(クラウド保存) | ○(ローカル) | × | △(クラウド保存) | × | ○(クラウド) |
| AI要約 | × | × | × | × | × | ○ |
| SHA-256ハッシュ | × | × | × | × | × | ○ |
| RFC 3161タイムスタンプ | × | × | × | × | × | ○(Pro) |
| 日本語UI | × | ○ | △ | △ | ○ | ○ |
| X投稿の専用処理 | × | △ | △ | △ | × | ○ |
○は標準対応、△は条件付きで対応、×は非対応です。archive.today系はブラウザ用の公式拡張が存在せず、非公式のユーザー拡張・ブックマークレット系をまとめて評価しています。
この記事の手順を、証拠として残したいなら
すべての保存(ゲスト保存も含む)に外部 RFC 3161 タイムスタンプが自動で付きます。Pro なら、その証拠を ZIP でダウンロードし、非公開保存・URL 監視・差分確認まで含めてアーカイブを運用できます。
- ゲスト保存にも外部タイムスタンプを自動付与
- Pro なら過去のゲスト保存も含めて証拠パックを取り出せる
- 非公開保存・URL監視・差分確認・保存管理
用途別のおすすめ
比較表だけでは決めきれない場合は、以下の用途別の推奨を参考にしてください。複数の用途に該当する場合は、上位の用途を優先して選ぶと失敗しにくくなります。
- SNSの誹謗中傷・詐欺被害の証拠保全 → Kiroku(SHA-256+タイムスタンプ+AI要約+X専用レンダラ)
- 裁判・内容証明・DMCA提出に使う証拠 → Kiroku Pro(RFC 3161タイムスタンプ付き証拠パックZIP)
- ニュース記事や記事の読み返し用 → Save to Pocket または SingleFile
- 見た目の再現が最優先(縦長ページの全景を残したい) → GoFullPage+Kirokuの併用
- 過去の特定日時のバージョンを遡りたい → Wayback Machine公式(既存のタイムラインが圧倒的)
- 競合サイトの価格・規約ページを定点監視したい → Kiroku(URL監視+差分表示)
- 個人のプライベートメモとして残したい → SingleFile(ローカル保存なのでクラウドに残らない)
拡張機能ごとの特徴
比較表の数字だけでは伝わらない、各拡張機能の設計思想と実用上の癖を整理します。
世界最大のウェブアーカイブが提供する公式拡張。Save Page Now機能でその場でInternet Archiveに保存でき、かつ過去の保存版を検索する機能も統合されている。弱点は日本語UI非対応、スクリーンショットや証拠用メタデータが残らないこと、日本語ページの保存品質にムラがあること。「過去を遡る」用途では他を圧倒する。
表示中のページをHTML+CSS+画像がインライン化された1つの.htmlファイルとしてローカル保存する、オープンソースの老舗拡張。クラウドに残らないためプライベートなメモ用途には最適。逆に、公開URLを発行できないため第三者への証拠提示には不向き。保存テキストは完全に残るのでOCR不要で検索可能。
縦に長いページ全体を1枚のPNG/PDFで保存する定番拡張。ユーザー数は数百万規模。画像ベースなので見た目の再現は強いが、後からテキスト検索ができない、HTMLソースが残らない、改ざん検証の手段がないという制約がある。証拠保全用途では単独では力不足で、他サービスと併用する前提で使うのが現実的。
archive.today(archive.ph)には公式のChrome拡張は存在せず、有志が作ったユーザー拡張やブックマークレットが複数流通している。保存先が公開されるためプライバシーに注意が必要で、権限要求や更新頻度は拡張ごとにまちまち。インストールする場合は、開発者・更新日・権限を必ず確認すること。
厳密には「アーカイブ」用途ではなく「後で読む」ためのツール。本文を抽出して読みやすい形で保存するが、元ページの見た目や広告、コメント欄は残らない。証拠保全や変化監視には向かない。読み返し専用と割り切るべき。
ワンクリックでスクリーンショット・自己完結HTML・AI要約を一括生成し、公開URLを発行する証拠保全特化の拡張機能。SHA-256ハッシュを自動付与し、Proプランでは外部RFC 3161タイムスタンプと証拠パックZIPに対応。X投稿には専用レンダラで投稿カード全体を保存でき、長文投稿の「続きを読む」以降や引用投稿も取得する。日本語UIが標準。要求権限はactiveTabとcontextMenusの2つだけで、閲覧履歴は読まない。
選ぶときの3つの軸
比較項目は多いですが、実際に判断するときは次の3軸で考えると迷いにくくなります。
- 軸①「誰に見せるか」: 自分だけならSingleFileやPocketで十分。第三者に示すなら公開URLと証拠性のある拡張機能が必要
- 軸②「何をしたいか」: 単なる保存ならどれでもよいが、変化監視や差分表示を前提にするならKirokuのような監視機能込みのサービスが前提
- 軸③「どこに置くか」: ローカル完結がよいならSingleFile、クラウドに預けたいならWayback MachineかKiroku。archive系の公開アーカイブは後から削除依頼が通りにくい点も考慮する
重要なページは「スクショ系」と「HTML保存系」を1つずつ入れておくのが現実的です。たとえばGoFullPage+Kirokuなら、見た目の再現とテキスト・証拠性の両方がカバーできます。
権限とプライバシーの見方
Chrome拡張機能は強力な反面、インストール時に要求する権限次第では閲覧履歴やサイトデータが読まれてしまいます。ウェブ保存系の拡張機能では、以下の観点でチェックすると失敗しにくくなります。
- activeTab(クリックしたタブの情報だけ読む)のみで動く拡張機能はプライバシー的に安全側
- 「すべてのサイトのデータを読み取る」権限を要求する拡張機能は、慎重に選ぶ
- 閲覧履歴(history)を読む必要がある拡張機能は、アーカイブ用途では基本的に不要
- 通信先がドメイン単位で限定されているか、開発元ページで明示されているかを確認
- オープンソース拡張(SingleFileなど)はコードで挙動を確認できる分、監査性が高い
まとめ
ウェブページを保存するChrome拡張機能は複数ありますが、「画像だけ残せるもの」「HTMLだけ残せるもの」「公開アーカイブURLを発行してくれるもの」「証拠性を担保してくれるもの」で設計がかなり異なります。本記事では代表的な6つを10項目で比較し、読み返し用・証拠保全用・競合調査用など用途別の選び方を整理します。
よくある質問
結局、最初にインストールすべき拡張機能はどれですか?
用途が明確でないなら、まずKirokuとWayback Machine公式の2つを入れておくのが無難です。Kirokuは「今見ているページを確実に残す」用途、Wayback Machineは「過去のバージョンを探す」用途をそれぞれカバーします。読み返し目的が強いならPocket、純粋なスクショが必要ならGoFullPageを追加する形で運用するユーザーが多いです。
無料で使える範囲はどれくらいですか?
比較した拡張機能はすべて無料でインストールできます。保存時のサービス側の制約として、Kirokuはゲストで24時間に100件まで公開保存が可能、Wayback MachineのSave Page Nowはレート制限付きで無料、SingleFileとGoFullPageは完全にクライアント側で動くため無制限に保存できます。Kirokuの非公開保存・証拠パック・URL監視はProプランの対象です。
証拠として提出するならどれを使うべきですか?
法的な場面で提出する可能性があるなら、SHA-256ハッシュと外部RFC 3161タイムスタンプが付くKirokuのProプランが現実的です。ハッシュは保存データの改ざん検知に、タイムスタンプは「その時刻にそのデータが存在したこと」の証明に使います。ただし、証拠採用の最終判断は個別案件ごとに弁護士に確認してください。
X(旧Twitter)の投稿を残すにはどれが適していますか?
Xは通常のHTML保存ではレイアウトが崩れやすく、ログインウォールで投稿本文が取得できないことがあります。Kirokuには専用レンダラがあり、投稿本文・投稿者名・投稿日時・引用投稿・画像・動画ポスターをまとめて保存します。長文投稿の「続きを読む」以降も補完します。他の汎用拡張機能ではこの挙動は保証されません。
複数の拡張機能を同時に使っても大丈夫ですか?
はい、挙動の競合はほぼありません。保存先もそれぞれ独立しているので、同じページを複数の拡張機能で同時に残しておくと、後から「片方が消えた」「別の観点で見たい」となったときに強いです。特にGoFullPage(画像)とKiroku(HTML+証拠)の組み合わせは実務でよく使われます。
Firefox版やSafari版はありますか?
拡張機能ごとに対応状況が異なります。SingleFileとWayback MachineはFirefox版があります。GoFullPageはChrome/Edge中心です。Kirokuは現在Chrome専用で、他ブラウザ対応は今後の検討課題です。
参考資料
- Kiroku ウェブページ保存・魚拓 — Chrome ウェブストアhttps://chromewebstore.google.com/detail/kiroku-%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%96%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8%E4%BF%9D%E5%AD%98%E3%83%BB%E9%AD%9A%E6%8B%93/aloplndmebncmkjcoodmjkfgciaeiejp
- Wayback Machine — Internet Archivehttps://web.archive.org/
- SingleFile — GitHubhttps://github.com/gildas-lormeau/SingleFile
- Kiroku公式サイトhttps://kiroku.today
Kiroku Chrome拡張機能をインストールする
ワンクリックで、スクリーンショット・自己完結HTML・AI要約・SHA-256ハッシュまでまとめて保存。証拠保全にも読み返しにも使える公式拡張機能を無料で配布しています。
ゲスト保存は無料で、外部 RFC 3161 タイムスタンプも自動で付きます。証拠パックのダウンロードと継続運用は Pro で。